明石市の子育て支援
テレビで情報番組を観ていると、とても興味深いニュースが流れました。それは、明石市が「0歳児に年10回、おむつや粉ミルクなど育児用品3000円分を無料宅配する」というもの。
今年の秋を目処にスタートさせる試みのようですが、ただ家計を支援するだけでないのがこの明石市の取り組み。
どういうことかといえば、この育児用品を各家庭に届けるのが、子育ての経験があり、研修を受けた女性が配達するという。その配達員がなにか困っていることがないか、また母子の健康状態や虐待の有無などを確認するという。いわば彼女たちが相談窓口の役割を担い、市と連携することで児童虐待なども防ぐという。
「タダで育児用品くばりまっせー」という人口増を狙っての単なるばら撒きではなく、本当の意味で子育てに優しい街を実践しようとしているのがわかります。
兵庫県明石市は神戸市の西に隣接する都市で、来月に大阪から神戸に引っ越しを控える自分としては、とても興味を覚えました。
こういった自治体による子育て支援が、今盛んになっているようです。
明石市独自の制度
興味が湧いてきたので、明石市について少し調べてみました。するととてもおもしろい制度を発見しました。
保育士の方に優しい町
1、保育士定着支援金という名目で、採用されてから7年間で最大150万円を支給
市内の認可保育施設で採用された保育士が長く働き続けられるようにと、採用されてから1年が経過するごとに20万円が6年間。また7年経過すると30万円の一時金が支給されます。
子育てを充実させるためには、まず保育士を確保するという考えでしょう。
2、保育士の子供は優先的に保育所に入所できる
市内の認可保育施設で働いている、または働く予定の保育士の子供は、優先的に市内の保育施設に入所できるというもの。
増加する人口
この他にも、保育施設が借り上げたマンションなどに保育士が入居した場合、その保育施設に対して月に最大82000円家賃補助するといったことなども行なっております。(条件あり)
保育士さんだけでなく保育施設に対しても支援をするなんて、明石市の子育てに関する本気度が伝わってきます。
現在、待機児童という問題がありますが、待機児童が発生する最たる原因のひとつが、保育士の人材不足なんですね。
またこういった取り組みだけが要因ではないでしょうが、明石市の人口は7年連続で増加しているそうです。
ちなみに明石市は、中学3年生まで医療費負担なしです。
洲本市と淡路市の出産祝い金
まもなく神戸市民になるということで、神戸市はもとより兵庫県のこともいろいろ調べていたところ、兵庫県の市(区)別の出産祝いの一覧を見れるサイトを見つけました。自治体によって違いがあるのは認識していましたが、こんなにも差があるのかと驚きました。
兵庫県内では洲本市と淡路市が、金額の面では突出していました。両市とも淡路島にある都市です。
神戸市はというと、出産ということに関しては特になにもなかったです。
洲本市の場合
第1子は3万円、第2子は5万円、第3子は10万円、そして第4子は20万円と段階的に増額されていき、なんと第5子以降は1人につき30万円が支給されるとか。
お金が全てではないですが、こんなに貰えるのは魅力ではありますよね。貰えないより貰えるほうがいいです。
洲本市も十分すごいですが、もっとすごいのが淡路市!淡路島はお金持ちの市が多いのかな?
淡路市の場合
第1子に関しては出産祝い金はなく、2人目以降から出産祝い金が支給されるようです。
第2子は5万円、第3子は10万円と、第2子第3子は洲本市と同じ額です。淡路市がすごいのはここからです。なんと第4子になると10万円が年1回で5年間!(最大50万円)、そして第5子になると20万円が年1回でこれまた5年間!(最大100万円)支給されます。また双子以上になれば10万円が加算されるということです。
子供が多くなればなるほど出費はかさみますし、苦労も絶えません。とてもありがたいですよね。また子供が好きでいっぱい産みたいという方なら、こういった手厚い補助があるところで出産するのも一考の価値ありですね。
一括支給でもらい逃げ
手厚い手当てがある一方で、それをもらい逃げするといった記事をちょうど本日、配信されていました。
人口減や少子高齢化に悩む自治体が、目玉政策として打ち出す高額の出産・誕生祝い金。高額ゆえに、制度を運用する現場では思わぬ事態も起きている。
坂東市は第三子以降に五十万円を支給する。二〇〇五年の合併による新市発足とともに始めた制度だ。
子ども課によると、当初は出産時に全額を渡していたが、受け取った後に転出する「もらい逃げ」のようなケースが相次いだという。定住を促すため、現在は出産から一年後に二十万円、三年後に十万円、五年後に二十万円と、三回の分割支給に改められた。
利根町の祝い金は第二子に五十万円、第三子以降に百万円で、河内町と並ぶ高水準だったが、三月末で廃止される。
財政課によると、十五年に分けて支給しているため、年を追うごとに支給総額が積み上がり財政を圧迫。四月からは、妊娠時に授乳服などを贈り、出産時には町内で使える五万円相当の商品券を渡すことになった。対象は第一子からに広げたが、予算額は四分の一に縮減できた。
ただ、坂東市も利根町も出生率は低いままだ。祝い金が奏功して減少幅を抑えているのか、それとも大盤振る舞いには効果がないのか。検証は必要だろう。 (宮尾幹成)
東京新聞より引用
https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202003/CK2020033002000128.html
なかなか難しい問題ですね。いっそのことどの自治体も祝い金などをやめれば、と思ったりもしますが、人口が減っている市町村などでは祝い金などの手当てや待遇を手厚くしてでも人口を増やしたいでしょうし。
件の淡路市がそうですが、第1子からではなく、第2子から支給するなどなんらかの対策は必要になってくるのかもしれませんね。
最後に
それぞれの自治体での手当てや補助など、知っていれば特をする制度。逆に言えば、知らなければ損をする制度。わざわざこちらに教えてくれるといったことは、そうそうないと思います。
役所の人が電話をしてきてくれるとか、家を訪問してくれるとか。
「こういう手当てありますよー」
なんて。
まぁ実際そんなことがあったとしても、怪しくて相手にしませんけどね。笑
損をしないためにも、今1度自分が住んでいるところにはなにか手当てや補助がないか調べてみるのもいいのではないでしょうか。
自分が住んでいる町、あるいは他府県など、いろいろ調べたらおもしろい発見があります。同じ日本なのにそれぞれ特色があって、とても興味深く感じました。
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